狛江市にある某工務店社長の自邸を設計させていただいております。
昨年の9月から設計が始まり、1年をかけてこの11月に上棟を迎えました。
⚪️建て方
上棟は建て方(たてかた)の他に、建て前(たてまえ)、棟上げ(むねあげ)とも言われますが、木の構造体(柱、・棟・梁など)を組みあげ、建物の形態がほぼ整います。今まで図面で見ていた建物の大きさが、視覚化されるので、我々にとってはワクワクドキドキの日になります。
建て方作業は、規模が大きい木造2階建てのため、鳶さん、大工さんの10人程度の合同作業で2日間かかって行われました。
構造体の組み上げなど、高いところでの力仕事は鳶さんのお仕事。鳶さん、カッコイイですが、見ているこちらの腰がひけます。
2日目は少々雨に降られたものの、予定通り午後3時すぎには無事に上棟しました。
⚪️上棟式準備
建て方とともに、上棟式の準備も並行して行われました。
四方餅(最上階の四隅と中央にお供えされます。)
幣束(へいそく、へいぐし)、大工さん達の手作りです!
上棟式で2階から巻くためのお餅
同じく上棟式で2階から巻くための5、50,500円などの5のつくお銭。(合計も555円など、5のつく数字になるように験担ぎするそうです。)
お供えのお酒も、工務店さんならではの本数です。
⚪️上棟式
建て方が終わると、上棟式。
幣束を正面の柱に取り付け、四方と中央にお餅を備え、建物の四隅にお酒、お米、塩、を撒きます。
祝詞(のりと)を大工さんが唱え、皆で工事の安全と無事竣工を神様にお願いしました。
その後、昔ながらの風習だと聞いていましたが、我々にとっては初めてのお餅まき。用意したお餅や銭を2階から来てくださった方々へ撒き渡します。
なかなかできないことなので、我々もお餅や銭をまかせていただきました。下で受け取る方も楽しそう!
晴れてよかった〜
⚪️直会(なおらい)
式が終わると直会(なおらい)と言われる、お手伝いに来てくださった方への労いの宴です。
直会ではお施主さんのご挨拶のあと、鳶さんが木遣りを披露してくださいました。
木遣りは大きな木や石を切り出して引いて来る際に、音頭取りが材木の上にまたがって歌った歌をお祝いの歌として鳶さんが上棟式等に歌うようになったそうです。
最近は都心部の上棟式が簡易化されているため、伝承が課題なのだとか。鳶さんが歌の上手な方だったこともあり、聞きいりました!時代劇などで、日本舞踊や唄等を皆で聞きいる場面に入った気分になりました。
施主の大工さん仲間が手伝いに来ているため、その後も唄の得意な方が民謡を披露してくれたり、賑やかな直会に!大工さんや鳶さんも久しぶりの木遣りで、とても誇らしげで嬉しそうでした!
無事に工事が終わり、いい家になったと言ってもらえますように!